今回はMFT(口腔筋機能療法)についてのお話です。
ところで不正咬合、つまり歯並びが悪い原因って何かご存知ですか?
まず不正咬合の原因を大まかに図で説明するとこんな感じです。
このように不正咬合の原因は遺伝的要因、環境的要因、両方含めたものとがあります。そこで注目していただきたい項目として口腔習癖というものがあります。
歯の周りって、ほっぺた、舌そして唇で覆われています。これは筋肉なんです。💪👀✨
この筋肉。異常習癖があることによって歯並びにも悪影響を及ぼします。😰
異常習癖ってどんなの??それは以下の通りです。
👆異常習癖👆
- おしゃぶりの長期使用
- 吸指癖(指しゃぶり)
- 弄唇癖 唇を噛んだり、吸引したりすること
- 弄舌癖 無意識に舌が突出したり、噛んでしまうこと
- 口呼吸
- 異常嚥下癖 嚥下時に舌が突出すること
- 咬爪癖
- 睡眠態癖 睡眠中の習慣的姿勢
舌突出癖による開咬
このように口腔習癖によって歯並びに影響を及ぼすのです。
癖って無意識で行われるので言われないと気づかなかったりしますよね。そしてそれを改善するのも大変なんです。
そこでMFT(口腔筋機能療法)、わかりやすく言うと筋トレ💪です。それが必要となってきます。
『筋群は生きた矯正装置である』by Rogers
20世紀初頭から言われ20世紀後半より口腔周囲筋機能に対する訓練法が確立されました。
MFTってどんなことするの??
実はたくさんやり方があります。何個か紹介します。
当院ではMFTワークブックを使用し、患者さんが無理なく行えるトレーニングをピックアップして来院時に一緒にしてもらい、おうちでもやっていただきます。😉💓
MFTでよく使用するもの
鏡 スティック(舌圧子) ストロー などです
①ティップ
姿勢を良くして鏡を見ながらスティックを握って口の前に立てます。
下の先を真っ直ぐ尖らせて2秒強く押し2秒休みます。
②ポッピング
舌の裏のひもがピンと伸びるように、舌全体を上あごにしっかり吸い付けて、ポンっと舌打ちをします。
③スポット
スティックの先をスポットに5秒当てます。次に舌の先をスポットに5秒当てて、舌の先でスポットの位置を覚えます。
④ポスチャーwithストロー
下の先をスポットにつけて、ストローを3番目の歯(犬歯)の後ろあたりで軽く噛んで唇を閉じたまま、30分間テレビや本を読んでリラックスしましょう。
⑤リップエクササイズ
リップマッサージ:唇の形をよくする目的:指で伸ばしたりします
ボタンプル :唇に力をつける目的 :唇の後ろに紐のついたボタンをいれ唇の力だけで水の入ったスプレーボトルを上げたり下げたりします。
イーウー :口角を上げる目的 :鏡を見ながら『イー』と言って口角を横方向に引き上げ、次に『ウー』と言って唇を前に突き出します。
このような感じでまだたくさんあるのですが、個人にあった筋トレプログラムをドクターサイドで作成し、患者さんに頑張ってもらいます。
👀MFTを行うことでどんなメリットがあるの??
- 歯を動かす際に、邪魔してくる筋肉があると動きずらくなったりします。よって正しい舌の位置、飲み込みをすることによって治療がスムーズになります。
- 矯正治療が終了した後、異常な口腔周囲筋のままだと、それにより歯が誘導され後戻りしやすくなります。よって後戻り防止につながります。
- 唇のトレーニングにより口角が上がりスマイルが美しくなります。
- 舌のポジションが正しい位置にあると発音がよくなります。
- 矯正治療に加え、MFTをすることで口呼吸の改善ができます。(鼻疾患の場合はそちらの治療が必要となります)
歯だけが悪いと思っていても、実は癖が原因で歯並びに影響を及ぼすことがあるってなかなか気づかないと思います。
そして気づいても、どうしていったらわからないし不安かと思います。諸星矯正歯科で一緒にできることからやっていきましょう💓
成長期の子供にも効果的です!